褒める・叱る

「子ども達は褒めて育てるのがいい」
そんな言葉が多く聞かれる。


確かにそうかもしれない。
しかし私は褒めるだけで子どもは育たないと思う。


私も子ども達を褒める。
しかし、それは褒めて育てるためではない。

ではなぜ褒めるのか。
それは本気で叱るためだ。


素晴らしいことをした時の子ども達の顔は輝いている。
その時の表情を本気で褒める。
そして言う。


「いい顔だ」
「その顔が君だ。その顔を決して忘れるな。」


その素晴らしい笑顔を「自分らしさ」として子どもの心に刻むのだ。
それが刻まれた子ども達は自分の
「良い表情」と「悪い表情」を区別できるようになる。


子ども達がしてはいけないことをしてしまった時、私は自信をもっていえる。


「違うだろ!」
「そんな顔をしているのは本当のお前じゃない!」


子ども達の「いい顔」を理解できているからこそ、本気で言える。
本気で思える。「その顔はお前の本当の顔じゃない!」 と。


褒めて育てる。
それを言葉通りとっても子どもは育たない。



褒めると叱るは表裏一体。
本気で褒めることで本気で叱れる。
本気で叱るからこそ本気で褒められるのだ。

子ども達の自己肯定感をぐっとあげる。
そのために褒める。
「その顔だ!」「いい顔だ!」
そのために叱る。
「それは違う!」「そんな顔しているのはお前じゃない!」



そんなことを通して子ども達が「自分らしさ」を確立した時。
子ども達の心が育っていく。



「褒めて育てる」
そのずっと奥に込められた思いを我々教師は読みとらなければならない。