弱いから強い

「こどもたちの自立」
これが私が学級経営を行う際に一番大切にしている言葉です。
しかし「自立」といっても難しいものです。
自立とは、すべて自分ひとりでできるようになることではありません。
この世の中ですべて自分の力で生きている人などいません。
人との関わりの中で、自分に足りないものは他者との関係の中で埋めていく。
そんな力もまた「自立」していくために求められる能力であるでしょう。
どんな状況下でも、あらゆる方法を模索しながら、学び続けていく。
そんな能力をもっている人が本当に「自立」している人であると思うのです。




このように、自分の目的が定まると、自分の実践をいかにすべきかがみえてきます。すべて教師の手のひらにのせ、こども達を思うままに操っていてもだめ。
かといって、すべてこどもたちに任せて、こどもたちを混乱させても、学び続けることはできません。
常に目的に照らし合わせながら、自分の実践が目的に向かっているかを考えていくことが大切です。




世の中には多くの光輝く実践があふれています。
その実践を取り入れれば上手くいく。
そんな気になるものばかりです。
しかし、それをそのまま取り入れてもうまくいかないのです。
それらを取り入れてうまくいく人、いかない人が生まれるのは、教師としての核となる部分なのです。



どんなに素晴らしい道具であっても、自分自身の力がなければ使いこなせないのです。
それに気づいてから教育実践の足し算をやめました。
「あれもやりたい」
「これもやりたい」
という想いを捨てました。




最も大切なものは何か?
それ以外は削ぎ落とす。


震災の後。限られたガソリンで避難すると決めた時。
何を積めればいいかわからなくて戸惑う妻に向かって自然と口にした言葉。



あったらいいなと思うものではなく
なくては困るというものをつめよう。



自分自身も車と同じです。
限られた量しか積むことはできないのです。


私は自分自身の限界を知っています。
だから、弱く、そして強いのだと思います。



矛盾に満ちた毎日の中に価値を見出せる自分でありたいです。