「協力」と「おせっかい」

先日の出来事。出来事。
息子が「溶連菌感染症」にかかりました。
ゴホゴホとひどい咳をしていた息子が、部屋で嘔吐してしまいました。
私と妻は、まず娘をその場から離しました。
息子をお風呂へと連れていき、洋服を洗い、消毒をし…
仕事は山ほどあります。
妻も私も、掃除をするためにせわしなく準備をしていました。
その様子をじっと見ていた娘の一言がとてもすてきなものでした。
彼女はこのように言ったのです。



「私は私のことをやるね。でもママが手伝ってほしいことがあったら何でもやるから言ってね。」



そういって、自分のことをやり始めたのです。
その後、妻の「ハイター取ってくれる?」「ティッシュとってくれる?」
のお願いに娘は
「いいよ!!」
と言ってすぐにお手伝いをしてくれました。



「私は私のことをやるね。でもママが手伝ってほしいことがあったら何でもやるから言ってね。」


この娘の何気ない言葉に「はっ」とさせられました。
「心を開く」「ゆるく繋がる」という意味について再度考えさせられました。






協同学習を教室に取り入れていく上で大切になってくること。
それは子どもたちに
「心を開く」という感覚をつかませてあげることでしょう。


誰とでも、心を開いて学び合える。それが出来る教室はどんな困難にも負けることなく、乗り越えられる強さをもちます。


しかし、「心を開く」という感覚は非常にあいまいです。


「何となくわかる気がするけど?具体的にはよくわからないな。」
と思われる方が多いでしょう。
どのような状態を「心が開かれている」状態。と言えるのか。
協同学習を教室に取り入れていくならばこれのテーマは深く考えていきたいものですね。


「心が開かれている」状態。
これはこどもたちの発する言葉を聴いていればわかります。
こどもたちの心を開くために大切な言葉は2つあります。
これらの言葉が子どもたちの口からあふれだした時、教室は「心が開かれた学び」が出来ていると言えるでしょう。



こどもたちの心を開くために大切な2つの言葉。
それは



「何か困ったことがあったらいつでも言ってね。」という言葉。
「わからないんだ。教えてもらえる?」という言葉です。



協同学習というと、常に「力を合わせて」「協力して学ぶ」ことのように思われます。
確かにそれも大切です。
しかし、もっと大切なことは、


「常に人と繋がる」ことではなく、
「必要に応じて人と繋がる」感覚を養っていくことでしょう。


自分の学びを高めるために突き進む。
しかし、人に協力を求められたら耳を傾け、全力で力を尽くせる。

そんな人を育てていきたいものです。


「協力」と「おせっかい」は似て非なるものです。
両者の違いは「相手の求め」があるか否かです。



「全員で協力しろ!」という「強く、堅い繋がり」から
「何かあったら言ってね!」という「ゆるい繋がり」へ。




誰もが心を開き、ゆるく繋がり合っている。
そんな教室を創っていきたいものです。
今年の子どもたちはきっとそんな教室を創りあげていくはずです。