「競争」と「協同」は矛盾しない
当たり前の光景になりすぎていた。
しかし、これを創るために4月から語ってきたんだよな。と感じさせられる光景があった。
それはテストを返却した時のことだ。
昨年の4月を思い出す。
テストの出来が悪かった子。
彼らはテストをもらったあとどうしたか。
ある子は恥ずかしそうにうつむき、答案を机の中にしまいこんだ。
また、ある子は点数の部分をしっかり折り、点数が見えないようにしていた。
しかし、今は誰もそんなことをするものはいない。
間違えたものはそのままにすることなく、しっかり直す。
点数なんて何点だろうと気にすることはない。
そして、点数によって相手を馬鹿にすることもない。
「当たり前のようにできているけれど、これってすごいことだよな。」
そう感じた。
私が福島にいる時、同僚の坂内さんと常に語っていたこと。
それは
「競争と協同は矛盾しない」
ということだ。
点数を出すから競争が生まれる。
過度な競争は好ましくない。
そのような考え方を耳にすることがある。
確かにそれは一理あるかもしれない。
しかし、いくら点数による「競争」を排除した所で、数値で評価されることは生きている限り多々あるだろう。
完璧に排除することが不可能ならば、その数値をもとに学び続けていく子どもをいかに育てるか。それを常に自分に問いたいと考えている。
そのために4月から語ってきた。
それは
「点数なんてどうでもいい話。大事なのはその点数をとったあとにどうするか。」
「わからないことが生まれた瞬間。それが勉強のスタートライン。」
「人は忘れるもの。忘れること、間違えることは当たり前。大切なのはその後。」
ということ。
「競争」を「過度の競争」へと繋げていくか。
「競争」を「協同」へと繋げていくか。
これは教師の「在り方」しだいなのだと思う。
私は「競争」と「協同」を繋げていく教師でありたい。
常にそう思っている。