「教師にしかできないこと」

一昨年、芦田宏直さんに授業を見ていただいたあとに問われたこと。
それは


「教師にしかできないこととは何だ?」


ということである。



「信じて任せる」ということと「ほったらかす」ということは違う。
目が覚めた一言だった。


それ以来ずっと考えてきた。
「教師にしかできないこととは何か?」と。



先日、常々関心を寄せていた方とお話する機会をいただいた。
その方が言われたこと。
それは


「教師にしかできないことなんてないんじゃないかな?」


という言葉だ。


その方は自分より長く、深く、自分の力を磨き続けてこられた方だ。
「教師しかできないこと」を求め続けてきた自分の根底をくつがえす言葉だった。


しかし、その方の言葉には奥深いものがかくれているように思えた。



「教師にしかできないことがある」なんておごり高ぶるな。
でも、それを探し続けていけ。


そんなメッセージが隠されている気がした。


この二つは一見矛盾しているように見える。
しかし、その方の中ではそれが矛盾なく繋がっているのだ。


それを矛盾なく繋げ、語れるようになった時こそが、自分が成長した時なのだろう。
私はまだその言葉を語る時期ではないのだ。


「教師にしかできないこと」を全力で探す。
そんな日々の中で、その方の言われたように
「教師にしかできないことはない」と語れるようになる。


ゆっくりと経験を積み重ねていくしかない。
焦らず、じっくりと探し続けよう。
そう想った。


本当にありがたい出会いだった。
まだまだ伸びていける。


そんなことを感じることができた出会いだった。
自分は本当に人に恵まれている。
感謝したい。