15分アウトプットによって見えてくるもの

授業の終わりの「15分アウトプット」
これによって、授業の良し悪し、子ども達の育ちが見えてきます。
子ども達の育ちは全部で四段階あると考えます。少しまとめてみます。




(第一段階)ほとんどの子ども達の書く手が止まっている。

これは授業の中で子ども達の思考が深まっていない状況です。
教師が授業を握りすぎて、子ども達が思考停止に陥っている。
もしくは教師が授業を放り投げていることで、子ども達の思考の深まりが生まれていない状況でしょう。
この状況に陥っているならば、授業の在り方の抜本的改革。そして子ども達の学び方の価値付けを根本から変革していく必要があります。
子ども達は話していますか?
子ども達は聴いていますか?
詳しくはこちらのリンクをご覧ください。

http://manabitudukeru.g.hatena.ne.jp/furu-t/20121101

大半の教室の子ども達で15分止まらずに書ける子ども達などいないでしょう。すべてはこの段階から始まります。



(第二段階)クラスの大半は15分間止まらずに書いている。しかし数人の子ども達の書く手が止まってしまう。

これは授業そのものには子ども達の思考を活性化させる手立てを打てている状況でしょう。
クラスの大半の子ども達の中には、「自ら学ぶ」という姿勢が刻まれていると考えられます。自ら学ぶという意志があるからこそ、15分間止まらずにまとめを行うことができます。止まらずに書ける子ども達の文章量や内容の向上に目を向け、どんどん励ましていくことが必要です。書ける子ども達の学ぶ意欲が、書くのが苦手な子ども達の意欲を引き上げていくのです。
書けない子ども達がいるのは当然です。その子達にかけ続ける言葉。それは
「あなたに書く力がないというわけではない。ただ学び方が悪い。それだけだよ。」
「どんな学び方していくべきか、それを失敗しながら考えていくのが学校に来る意味。」
と何度も何度も繰り返して語ることが必要です。
書けない子ども達の中から書ける子どもが生まれてきたとき、書けない子ども達の成長は一気に加速しはじめます。
教師がその成長を信じて、励まし続けられるか。そこが重要となってきます。
文章の質も大切です。しかし、この段階で一番大切なのは「子ども達に書けるという感覚を刻む」ということです。質を求めすぎて、「書ける」という感覚を削がないように気をつけなければなりません。




(第三段階)クラスのほぼ全員が止まらずに書くことができるようなってきている。

この段階に至るということは、クラスの子ども達の心主体的に学ぶ姿勢が刻まれている証です。子ども達の主体的な学びを教師が受け止め、それをうまく子ども達にフィードバックできている証でしょう。
実はこの段階に至るまでが時間がかかります。数ヶ月から半年は覚悟しなければならないと考えられます。しかし、この段階に至ればそう簡単に子ども達の学びが崩れることはありません。どのような課題に対しても、そこから自分の考えを見出し、自分なりにまとめることができるようになっているからです。
この段階に至るということは、文章の質に斬り込む準備が整ったことを意味します。

「文章の質に斬り込む」ということは教師としての真の力量が問われるということです。


いかにして、文章を磨いていくか?
いかにして、文章のあいまいさを排除していくか?
いかにして、論理の飛躍を防ぐか?
いかにして、自分の想いをまっすぐに伝えるか?


一時間一時間、何を磨くかを明確にしながら授業を行っていく覚悟が必要となってきます。
読書感想文、説明文、意見文などを何度も書きながら自分なりのスタイルを磨いていく時期です。




(第4段階)自分の意志で言語化し始める。


自分が担任している間にこの段階に至るならば、素晴らしいことだと思います。この段階に至れば子ども達の中で「言語」が自身の思考を伝達する武器となっているはずです。
言語を通して思考し、他人と繋がることができる。
まさに「学び続ける」人間へと成長しているはずです。
自ら「こんなことをやってみたい」「あんなことをやってみたい」そんなことを考え始めます。この段階の子ども達の育成を目指して、教師は日々試行錯誤を繰り返していくのですね。



授業の最後の15分。今日の学びをひたすら書く。
それによって自分の授業と子ども達の学びが見えてきます。




45分のうち15分を書く時間に割いても、子ども達の思考を磨く授業ができる人であると成立することができます。
しかし、坂内さんのおっしゃるとおり、
方法やテックニックとして中途半端な気持ちで取り入れると確実に「毒」となるでしょう。
しかし、子ども達の圧倒的な成長を目にすることができるのは間違いありません。




この会で学んだ若者が、どんどん思考を磨いて成長しています。

http://d.hatena.ne.jp/shironeko1021/

彼のブログの記事を見ればこの理念がいかに子ども達の未来を切り拓くために必要となってくるかわかるでしょう。何がここまでこの若者の思考を揺さるのか。知りたくはないですか?