「繋げる」から「繋がる」に

「各教科の連携・融合による学習の深化」これは学び続ける子どもの会の柱の一つである。「書く」という活動を基盤として、すべての教科での学びを融合させていく。
気をつけなくてはいけないのは、「融合」という言葉のニュアンスである。
「融合させる」というよりは「(自然と)融合していく」というイメージでありたい。
「繋げる」ではなく「繋がっていく」という感覚を常にもっていたい。


教師が無理やりレールを敷き、それぞれの教科を力で繋げていくのではない。
書く教科での学びが自然と繋がり合い、融合していく。そんなイメージだ。


子ども達は何度も何度も繰り返しながら、力をつけていく。
繰り返し学ぶことなく力がつくことなどありえない。
「反復」というのは子ども達の力を伸ばすために必要不可欠なことなのだ。

では、我々教師は子ども達に繰り返し何度も学ぶ場面を保障できているのだろうか?
漢字や計算。そういうものは「反復」するイメージが湧くだろう。
しかし、「起承転結」「引用」「説明」「意見」などを繰り返し磨く場面はあるか?

ここで問題となるのが「時数」の問題だ。
国語で学ぶべきことはたくさんある。それらを十分に反復することができることなく、授業は進んでいく。
学ぶべきことにアップアップしていて、繰り返し磨くことができる時間がない。
それが現実なのだろう。

ではどうすればいいのか?
これを解決するヒントを坂内さんの実践からいただいた。
これ補うことができるのが「クロスカリキュラム」なのだ。


国語で学んだことを国語だけで終わらせない。
算数で学んだことを算数だけで終わらせない。
学んだことをすべての教科で繰り返し学習していくのだ。


この時に必要となるのが「言語化
「書く」ことを通して思考する。
すべての教科が「書く」いう土台に乗っているからこそ、すべての教科が繋がり合う。


すべての教科が自然な形で「融合」していく。これはかなり難しいことである。
自然な形での「融合」を起こすには、当然ながら各教科での学びが深まっていることが前提となるのだから。学びが深まっていない状況下で、ただ「書く」ということを続けていてもそこには至らない。学びが深まっていない状況で「書く」という行為を続けていくと書くことが苦しみとなっていく。


学びを深めていくには子ども達が主体的に学ぶ環境が重要となる。
各教科を「融合」させていくためには、深い思考に支えられた日々の学びが必要となってくる。「全員ができる」というような課題ではなく、もっと深い所までの気づきと理解が必要となってくるのだ。


日々の学びが繋がり合いながら深まっていく。
そして、それが持続することで降り積もっていく。


今のクラスの子ども達はそんな学びが必ずできるようになる。