「ええ〜!?」

「◯◯するぞ。」
「こうしよう。」
このような自分の発言に対して子ども達が
「えぇ〜!?」
という。
この声が子ども達の口から聞こえるうちはまだまだだと考えている。
子ども達の中にそれを行う価値観が刻まれていない証だから。



子ども達が「えぇ〜!?」という声。
それはそれに対する自信のなさから生まれてくる。


「そんなことやったことないよ」
「できる自信がないよ」


そういう気持ちが「えぇ〜!?」という声として口から出るのだ。



「えぇ〜!?」という声を削ぎ落とす。
その気持ちを教師としてもち続けたいと常に思っている。



「えぇ〜!?」という声が聞こえなくなくなるということはどういうことか?
その時はつまり子ども達の中に自信が生まれたということ。
そして、それを行うことの価値が心の中に刻まれたということ。



4月を思い出す。
私の発言に対して子ども達の口から「えぇ〜。」という声があふれていた。



「原稿用紙に15分で600字の意見文をまとめられるようになる。」
「15分でA4の白紙のレポート用紙一枚をまとめられるようになる。」
「予習をしてから授業に臨む」
「夏休み前には5年生の漢字を一通り終わらせる」
「計算式だけではだめ。必ず数直線の図に表す。」
「教えてと言われたら全力で教えろ。それ以外の時は全力で自分の学びを突き進め」…



子ども達の中にある自信のなさ。
そしてそれを行うことの価値が刻まれていないこと。
これらが「えぇ〜!?」という言葉で口からあふれてきた。



しかし、半年たった今は違う。
「よし、書くぞ」と私が言えば、教室はスーッと静かになる。
そして、鉛筆がすべる音が教室に響き渡る。


「じゃあ来週漢字テストをやるぞ〜。」
その声に誰も「えぇ〜!?」と言わない。「OK!」という自信たっぷりの顔。


「先生。こんな資料を探してきました。今日の社会はバッチリです!」
自ら予習をしてくる子も増えた。


算数では式を書いただけで終わらせることなく、数直線で書き表そうと自ら立ち止まる子がたくさんいる。「できる」から「説明できる」へ自分を高めようとしている。



「えぇ〜!?」という声が全くなくなったわけではない。
しかし、それは確実に減ってきている。
子ども達の中で「自分はできる」という気持ちが育ってきている証だろう。



子ども達が自信をもって前へ進んでいる証。
そして、それを行うことで自分がどんどん成長していけることを肌で感じ始めている証。



「えぇ〜!?」という言葉は子ども達の心と繋がっている。
その声が聞こえた時は立ち止まって考えたい。
そうすることで自分が子ども達に今、この瞬間に刻むべきものが見えてくる。