運動会「で」何を得たのか

学級通信より



「を」から「で」へ。
常々私が思っていることです。
100m走「を」学ぶのではなく、100m走「で」学んでほしい。
騎馬戦「を」学ぶのではなく、騎馬戦「で」学んでほしい。
勉強も同じだと思います。
勉強「を」学ぶのではなく、勉強「で」学べる人であってほしい。
「を」から「で」に考えを変えていくと、繋がりのないように感じるすべてのことが一つに繋がってきます。


先週行われた運動会。
この運動会を行う目的は決して「1位をとること」でも「自分の組の勝利」でもありません。
大切なのは「勝利を目指すこと『で』何を学ぶか?」だと思います。
楽しい時間は矢のように過ぎてしまうもの・・・。
運動会当日に子ども達が何を感じ、何を学んだのか?
国語の時間を使って運動会の作文を書きました。
前号でお伝えした通り、今回の授業の目標は3つです。


? 聞いた音が詳しく書かれている
? 見たものが詳しく書かれている
? 思ったことが詳しく書かれている




作品を紹介していきたいと思います。
まずは「スタートライン編」です。



一列ずつ、だんだんと僕の順番が迫る。短距離走は短パン、半そでで走るので寒いはずが、その日はたまたますごく天気のいい日だった。でも、その時は緊張のせいか少し寒い。と思いながらも僕の順番がまた少しずつ迫る。
そして三列目の人が終わって四列目(僕の前の人達)の人達がスタートラインに並ぶ。「ピー」という音と共に僕は心の中で「いかないで!」と叫ぶ。
しかし、当たり前のことだが、ついに行ってしまう。


私が走るのは10番目。最後の方だけど、一、二、三番目…。時間はどんどん経っていく。
もうすぐ…。もうすぐ私の出番。そう思うとすごく緊張してくる。
どうしよう…。もし走っている時に私が転んだら。くつがぬげたら。もし私がみんなより遅かったら…。私にはそういう心配があった。気がついたら私の前の出番の人達が走り終わっていた。あっという間に私の出番。びくびくしながら私はスタートラインに立った。


ここでアナウンス。十一番に走る人達の名前が呼ばれた。もちろん私の名前が二番目に。
ドキドキ、バクバク。心臓の音と「だいじょうぶかな?」という不安の声。
後ろからもうゴールした人達が応援している。「がんばれ。」「負けるなよ。」みんな応援している。
ドキドキ、ドキドキ、バクバク、バクバク。
先生はいい姿勢になってピストルをあげ、緊張のいっしゅんがおとずれた。


二番、三番、四番…。次々に走っていく。
私は緊張していた。心臓が「トクン、トクン」と鳴っている。
みんな緊張しているだろうか?周りの人は緊張しながらも応援しているのだろうか?
私にはわからない。気がついた時にはもう女子の一番目の人達の名前が呼ばれていた。


みんなが見ていて私は人一倍緊張し、早く走って終わらせたいなぁと思いました。
しかし、時間を早送りすることもできないので、私はずっと回りを見わたしていました。
すると、お父さんとお母さんとおじいちゃんやおばあちゃん。そしてお姉ちゃんが見えました。
保護者の人達も色々な人が白組や赤組を応援していて私はパワーをもらいました。
先生は「OK」と言って、私はうなずきました。そして手足を動かし、走りやすいようにしました。私は走る用意をしました。ついに100メートル走が始まります。