原稿用紙に見える成長

「先生!原稿用紙ください!」「先生!こっちもお願いします!」
そんな声が響く教室。国語の時間である。


本日の課題は教科書の物語「のどがかわいた」の「主題」を探ること。
国語は4月の一番初めの時間から、原稿用紙へのまとめを行ってきた。
初めは数行しか書くことができなかった子ども達。
しかし、最近の2組メンバーの成長は目覚ましいものがある。


30分ほど徹底的に話し合い、情報を共有し合った子ども達。
そして最後の15分。原稿用紙にまとめる時間だ。
スーッと静かになっていく教室。えんぴつが走る音だけが響き渡る。
残り5分。あちこちから呼ばれる。
「先生。2枚目ください。」「こっちもお願いします!」
クラスの半数以上が2枚目を手にする。
15分間、えんぴつが止まらない。よっぽどいい話し合いができたのだろう。


「ピピピピッ。」
タイマーがなる。子ども達は15分で書けた所にまで「15分」とメモをする。
これが子ども達の成長の証である。
数人の人は15分で原稿用紙2枚(800字)を書いている。すごい成長だ。
休み時間になっても止まらない。子ども達の「書きたい」という想いがあふれている。


ある子が私のところに来て言った。
「先生。もっともっと書きたいから原稿用紙をもらってもいいですか?」
もちろんOKだ。あとで提出されたその子の作品。なんと6枚(2400字)。驚きだ。
その子によるともっと書いている友達もいるとのこと。読むのが楽しみである。


違う子がつぶやいた。
「書くの楽しい。」
何気なく口から出たこの一言。私にとってこれ以上に嬉しい言葉はない。


「好きだ」と思えること。
「できる」と思えること。
「やってみたい」と思えること。


これは本当に大切なこと。
自分の足で歩み出した子は強い。
まだまだ伸びる。
自信を胸に刻んでいく。