伝え続ける力

社会の時間。今勉強している所は3つ。
?六大陸と三海洋 ?主な国々の名称と位置 ?世界の中における日本の位置


子ども達に常々話していること。それは
授業が始まった瞬間から「よ〜いドン!」と走り出せるようにしてくること。
「よ〜いドン!」とは何か?それは、


「昨日調べたらさ。こんなことわかったんだ!」
「調べたけれど、ここがわからなかったんだよね・・・。」
と話ができるように準備してくることだ。
授業開始のピストルが鳴った瞬間、思い切り走り出す。
家で出来ること(準備運動)は授業前にやっておこう。
そう日々話してきた。
たとえわからなくてもいい。
大切なのは「どこがどうわからないのかが説明できるようになってくる」こと。


「でも、何を予習したらいいかわからないよ。」
そんな声のために作りだしたのが「クエスチョンマトリクス」という表。
その表は「何?」「いつ?」「どこ?」「だれ?」「なぜ?」「どのように?」「メモ」
の項目にわけて、教科書の内容を予習できるようになっている。


詳しくいうと。
「六大陸と三海洋って何?」
「六大陸と三海洋っていつできたの?」
「六大陸と三海洋ってどこにあるの?」
「六大陸と三海洋ってだれが見つけたの?」
「疑問はない?」
「六大陸と三海洋ってどのようにできたの?」
のように、わかる情報を分類していくことだ。


社会の一時間目。最初に「クエスチョンマトリクス」を渡した時、子ども達に話した。


「次の時間は『六大陸と三海洋』から勉強を始めるよ。表の中で埋められる所は埋めておいで。でも全部は埋まらないよ。例えば、『いつ?』『だれ?』『どのように?』なんかは難しいかもしれないね。埋まらない時は飛ばして構わないよ。全部埋める必要はない。大切なのはどこがわかったか、どこがわからないのか。それをわかるようにすることだからね。」


昨日は社会の2時間目。1人の女の子が私の元に寄ってきて話した。
「先生。私、家から資料をもってきました。」


その子のもってきたのはインターネット資料。
たくさんのマーカーで線引きがされている。
一緒にもってきた「クエスチョンマトリクス」を見て驚いた。
なんと。難しいかな?と考えていた。
「いつ?」「だれ?」「どのように?」も調べてきているのだ。
教室を見渡すと、その部分が埋まっている人が数名。
「すごい。」と感じた。


「六大陸っていつ(どうやって)できたの?」
という疑問をもって調べを進めた子がたどり着いた答え。
それは「世界は昔一つの大陸(パンゲア)だった。」ということ。
それを見つけ考え出した人(だれ)がいるということ。
そしてそれが「どのように」動いていったのか?ということ。


教科書には「六大陸と三海洋」についての簡単な説明しか載っていない。
しかし、その子達は、そのもっと奥にあるものを見つめ、予習をしてきた。
これはクラスの宝物になる。


「えっ?『だれ』の所埋まったの?どれ?教えて!」
昨日の社会の時間。そんな声がたくさん聞かれた。


今日はその見つけたことをクラスで共有する時間になる。
1人のひらめきがみんなに広がっていく時間。
教科書に書いてあることをもっともっと深く。
教科書「を」学ぶのではなく、教科書「で」学ぶ。
そんな姿勢を育てていきたい。


社会、理科ではレポートにまとめることを中心に学習を進めていこうと考えています。
いろんな人と意見交換をして、すずしい顔でレポートにまとめられるぐらい徹底的に学び合っていきたい。


「話をするのが苦手」「書く(まとめる)のが苦手」
そんな子もいるかもしれません。
しかし、これらの力は子ども達にとって、必要な力になるはずです。
いきなり100点満点なんかでできるようになるわけはありません。
だからこそ、ゆっくり、少しずつ、子ども達を伸ばしていけたらなとおもいます。


これからどこまで伸びていくのか。楽しみです。