常に問え。
自分に欠けているものを。
埋まらないその穴を埋め続けろ。



「目的」なんてない。
辿り着ける「目的」は「目的」ではない。
「ゴール」なんてない。
「ゴール」に辿り着いた瞬間にその「ゴール」は「スタートライン」へと変わる。
「最上」なんてない。
辿り着ける「最上」なんて偽物。辿り着けないからこそ追い求める。



どんなに伸びても残る甘さ。どこまでいっても完全には、なれない。
だからこそ問え。
教師自身がその苦しみと対峙せずに子ども達に何を伝えられるのか?
進めば進むほど足りないものが見えてくる。
子ども達はこの一年間よく学んだ。
NRTのうえではかなりの飛躍が見られた。
しかし、まだ足りない。
もっと伸びるものをもっていた。それを伸ばしきれなかった。
何が足りなかった?己に問う。
現状に満足することなく上を見続ける。
それしかない。


この一年間。日々、問うてきた。
それを通して朧げに見えてきたものがある。
この一年間迷い、もがき続けたことを決して無駄にはしない。
子ども達が全力で応え、自分にくれた感覚を次世代へ。


完全を目指し走り続ける。
しかし決してそこには辿り着けない。
時は刻刻と過ぎ、不完全な仕事が積み重なっていく。
その積み重ねの中にしか成長はない。
昔の自分は常に「近道」を探していた。
テクニックをあさり、答えを他人の言葉の中に求めていた。



しかし、そこには答えなんてない。
答えは己の中にある。「近道」なんてない。
すぐに答えを求めるな。
人が導き出した光輝く答えに価値なんてない。
何度も己に問いかけ、己が探しあてた泥臭い小さな答えにこそ価値がある。



常に己に問え。
間違った答えでもいい。
自分なりの答えを探せ。
それができる者は必ず修正できる。
それを見つめようとしない者は人の答えに縛られる。