『学び合い』教師に必要な視点

『学び合い』を成立させるためには
クラスを「チーム」にまで高めていかねばならない。


グループ(群れ)から「チーム」(団)へ。


「グループ」と「チーム」の違いは何か?
それは「目的」があるか否か。
目的なき集団が目的を共有した瞬間に、その集団は「チーム」となるのだ。


しかし、「目的」をもつと言っても決して簡単なことではない。
それは「目的」という言葉の意味を考えていくとよくわかる。



「目的」とは何か。
「目的」という言葉の「的」という部分。
これは「まと」と読むことができる。
「まと」とは一つしかない。
「目的」とは自分が目指すべきただ一つの的の部分を指すのだ。



似た言葉で「目標」という言葉がある。
「目標」という言葉の「標」という部分。
これは「しるべ」と読むことができる。
「みちしるべ」という言葉の通り、
「しるべ」は「目的」に辿り着くためにつくられるもの。
「まと」と違い一つではない。
「目標」を達成することをとおして「目的」に近づいていくのだ。



集団を「チーム」へと高めていくためには集団に「目的」を意識させる必要がある。
そして「目的」はただ一つ。我々が最後に行き着く場所なのだ。


教師自身が常に「目的」を見据え、子ども達に語り続ける。
それが『学び合い』を成立させ、持続させていくために絶対必要なのである。


これはかなり難しいことだ。
今まであいまいにごまかしてきたものに真正面から向き合う覚悟が必要になる。



なんのために学ぶのか?
なぜ『学び合い』の考え方が必要なのか?
自分は子ども達をどんな大人に育てたいのか?
学校で学ぶ目的は?……



ありとあらゆることの最終地点を教師自身が見つめているか?
そしてそれに対して自分なりの答えをもっているか?
常に自分自身に問いかけなければならない。
迷い、悩み、ブレては、立ち止まり、少しずつ前へ進んでいくしかない。



だからこそ、『学び合い』をする教師は成長する。
どんなことも他人の責とせず、己自身へと目を向けていくから。


「目的」に向き合う覚悟をもった瞬間から『学び合い』は動き始める。