『学び合い』を成立させるために必要なこと

『学び合い』を成立させるためには必要なことは何か?


それは
「お互いに相手を尊重し、自分に足りない所を共に補い合いながら、クラス全体を高めていくのだ」という意志を子ども達自身がもつことであろう。


「自分さえよければいい」
「他の人は関係ない」などという意識ではなく、
クラス全体を意識し、常に切磋琢磨しながら学び合う集団を創らねばならない。


それはスポーツにおける「チームづくり」と非常に似ている部分があるだろう。
「学び合う集団」を創りあげるためには
クラスを「チーム」へと高めていく必要がある。


では「チーム」とは一体なんなのだろうか?


「グループ」と「チーム」
この2つはよく耳にする言葉である。
どちらも「人の集団」であることは共通している。
しかしこの2つの言葉が同じ意味かというとそうではない。



「チームワーク」とは言うが「グループワーク」とは言わない。
「チームプレー」とは言うが「グループプレー」とは言わない
「チームリーダー」とは言うが「グループリーダー」とは言わない。



このようなことからも我々は無意識のうちにこの2つの言葉を明確に区別し、
使い分けていると考えられる。
では一体「チーム」とは何なのか?
「チーム」とは聞きなれた言葉だが、その意味を深く突き詰めてみるとなかなか難しいものである。


「チームワーク」「チームプレー」「チームリーダー」・・・


これらの言葉を並べてみると「チーム」とは「グループ」よりも結束力が高い集団のように思える。
ただ人が集まっただけの集団を「チーム」とは呼べないのだ。




では一体「チーム」とは何なのか。



「チーム」とは
『仲間が思いを一つにして一つのゴールへ向かって進んでゆける組織』



であると考える。
それに対して「グループ」は『人の集まりを集団としてとらえたもの』
わかりやすくいうと人が集まれば「グループ」となる。そのグループがゴールを意識して思いが一つになった時「チーム」になっていくのだ。


『学び合い』を成立させるために必要なこと。
それは子ども達の集団を「チーム」へと高めていくことだ。


学級というのは、初めは人の集まりにすぎない。
子ども達は自分がここにいてどのように学ぶのかという目的を
もつことができていない。


目的なき子ども集団に学校で学ぶ目的をもたせ、
自分の意志で学び続ける姿勢を心に刻んでいく。
子ども達を「チーム」へと高められて初めて『学び合い』は成立するのである。