「おあずけ」が生み出す思考停止

授業において「おあずけ」の時間を減らす。
「おあずけ」の状態が長くなれば長くなるほど思考は低下し、停止していく。


「先生。めあては書いてもいいですか?」
「先生。式は書くんですか?」
「先生。色で書いてもいいですか?」
「先生。まとめは書くんですか?」…。
常に「おあずけ」状態。教師の「よし」という言葉がないと動き出せない。


「おあずけ」状態の中で子どもたちが探るもの。 それは課題への答えではない。 目の前の教師が求めている答えは何なのか?ということだ。


子どもたちは優しい。
どんな担任の言葉であろうと、全力で耳を傾け、全力でフォローしようとする。
授業者の表情を懸命に読み、求められている答えを探る。
けなげに一途に教師の味方であろうとする。


本当に探らせるべきものは、課題に対する答えだ。
どんなに教師の思考を探ってもそれは成長にはつながらない。


教師の思考を徹底的に読み続けた子ども。
課題に対して徹底的に向き合い続けた子ども。
成長するのは明らかに後者だろう。


教師が求めている答えを探らせることはしない。
教師が何を目指しているのかその目的を探らせる。


どれだけ「目的」と「今していること」の中で往復し続けたか。
それが人を成長を支えていく。


授業とは「おあずけ」「よし」の繰り返しの中で思考停止に陥る場ではなく、「全力で自分と向き合う」時間でありたい。
そんなことを考えると45分をいかに使うかが見えてくるだろう。