「求める」からこそ「認める」ことができる

「もっと!」これは我々の「学び続ける子どもの会」で大切にされている言葉である。
教師にしかできないこと。それは「もっとだ!」とさらに上を指し示し続けることであろう。

「もっとだ!」と求め続けていく。そのためには教師自身の口から発する言葉を大切にしていきたい。

私が日々大切にしている言葉。
それは「認める」言葉である。


「すごいね」「えらいね」
この言葉は褒める言葉である。私がこの言葉を使うことはかなり少ない。
なぜなら、大半のことは心から「すごい」「えらい」と思えることでないからだ。

家で宿題をやってきた子どもに対して「すごいね」なんて言わない。
しっかりと授業を聞いていることに対して「えらいね」なんて言わない。
自分の役割をしっかりやったことに対して「いい子だね」なんて言わない。

家庭学習をしてくること。懸命に学ぶこと。役割を協力して行うこと。これらはすべて
「当たり前」のことなのだ。

教師の役割はこの「当たり前」の質を上げ続けていくことなのだ。
「すごいね」「えらいね」という言葉を使うと、その行為が「当たり前」のことではなくなってしまうのだ。
懸命に学ぶ。そんな当たり前のことを「えらい」などと評価してはもったいない。子ども達は求めれば求めるほど伸びるのだ。

「求めれば求めるほど伸びる」だからこそ、「もっとだ!」に繋がる言葉を常に放つ。

だから「認める」言葉を大切にする。
「できてるな。」
「やってきたな。」
「しっかりやったな。」
「向き合っているな。」
「伸びてるな」
「それでいいんだ。」
「それが大事だな」
「修正してきたな」
「変わってきているな。」…

そういうあなたなら「もっと」伸びるぞ。と。


「求める」からこそ「認める」ことができるのだ。
いかに当たり前の質を上げることを求め続けていくか?
そこに教師の覚悟が表れる。