[積み重ねる力]『学び合い』補強論

『学び合い』を高めていくために。提案。



『学び合い』の考え方は子ども達を成長させていく。
この考え方に出会ったことによって自分自身も大きく成長したという実感がある。



子ども達が互いに学び合う。横の繋がりができていくことで子ども達の心は磨かれ、育っていく。子ども達が安心して学び続けられる環境ができた時、学力は少しずつ伸びていくのだろう。



「子ども達は有能。子ども達にできることは任せてみる。」
この考え方は非常に大切だと思う。しかし、いかに教えるか?ということに注目されてきた今までの教育の在り方とはかなりかけ離れている。
このような考え方で授業を行うためには、子ども達、保護者の方々に教師自身の考えをしっかり伝えられるようにしたい。
考え方を伝えると同時にしていきたいこと、それは子ども達の学びの状況をしっかり可視化することだ。



『学び合い』が崩れ始める原因は多々あると思うが、その中の一つに
「学びが見えないことへの不安」があるのではないだろうか?



保護者の方々の心配としてよく耳にすること。



子ども達が熱心に学んでいるのはわかるが、子ども達は本当に理解ができているのか?
このやり方で本当に学力が伸びていくのか?




教師がいくら説明をしても、この不安をぬぐいさることは難しいのではないか。
いくら話し合っても成長は形としてはなかなか見えない
見えないことによる不安が保護者の方々にはあるのだと思う。



子ども達が学び合うことに対する価値を感じさせる取り組み。
保護者の方々に子ども達が日々行っている学習を可視化できる取り組み


このような取り組みが実現できれば、もっと『学び合い』を肯定していただける側面が増えていくのではないだろうか?


そのために提案したいこと。
それは「学びの証拠づくり」である。
子ども達が学びを日々積み重ねているということが目に見えるものを残していこうということである



私は証拠を残すために「書く」ということに重きをおいていこうと常に考えている。
授業の最後の15分は一人ひとりが自分の今日の学びを自分なりに形作り、まとめる時間を取ることにしている。

http://manabitudukeru.g.hatena.ne.jp/furu-t/20120423



「15分アウトプット」を行う長所は4つある


?目標が明確になる
最後にまとめる。というはっきりとした目標がどの授業においても常にある。そのために子ども達が常に授業の最後を見据えて学習を行うことができる。多くの人と意見を交わし、自分なりの意見をしっかりもてた子は、最後に満足のいくまとめを行うことができるからだ。



?子ども達自身が(教師も)今日の学びを自己評価できる。
子ども達が15分でまとめている時間、教師は何をするか?私はこの時間を価値付けの時間と考えている。充実した話し合いができた子ども達はすごい勢いで書き始める。そういう子には「君の今日の学びがすばらしかったからここまでいいものを書けるのだね。」とフィードバックできる。
反対に筆が止まってしまう子には、今日の学びの何が悪かったのかを考えさせ、次の時間にいかに改善するか考えさせ励ますことができるのだ。



?学びの証拠が残せる
「書く」という行為は形に残る。それは学びの証拠となる。話し合いの言葉は消えてしまう。話し合いを眺めているだけでは子ども達がどのように成長しているのか教師自身が看取ることは難しい。しかし、証拠を残すことで見えにくい部分を補うことができる。そのまとめをみて学びが浅いと感じれば次の時間に再度学び直すこともできるのだ。



?学びが降り積もる
15分でのまとめを毎日繰り返していくと、その学びが証拠として降り積もっていく。自分のクラスではそれを一人一人ひもでくくり、個人ごとにまとめている。日々の学習が降り積もっていくことは子ども達のモチベーションの向上にも繋がる。また、そのまとめは保護者の方々に学びの進歩を説明する貴重な材料にもなるだろう。
自分のクラスでは4月から9月(前期)までで1人4万から5万字ぐらいまとめを書いている。それらがすべて積み重なっていることは大きな強みとなるだろう。



学びが形として残っていること。
そしてそれらがどんどん降り積もっていくこと。
それをいつでも提示できる状況になっていること。
そんな状況を創りあげていくことができれば、『学び合い』を肯定してくれる方々も増えていくのではないだろうか?

『学び合い』グループに一つの提案である。