人を育てる「職人」として生きる

昨日、教育人間塾で吉田順先生のお話をお聞きした。
横浜で30年以上教員を勤め、子ども達の荒れと真剣に向き合ってきた方だ。
退職後に生徒指導コンサルタントとして全国を飛び回っているとのこと。
やはり一つのことに信念をもって取り組んできた方の話は重みがある。
いろいろと考えさせられた。



以上は昨日の気づきから。



教育は職人の世界である。
これは昨日吉田順さんがおっしゃっていた言葉である。
私も常にそう考えてきた。



以前にもそのようなことを書いた記憶がある。
http://manabiai.g.hatena.ne.jp/furu-t/20120105



集団がよりよい方向へと向かっているか否かを見極められるか。
子ども達の行動の裏に隠れている原因を感じ取ることができるか。
子ども達が本気で自分自身を見つめる言葉をかけ続け、心を耕し続けられるか。…




いくらノウハウやテクニックとしてそれらエッセンスをまとめたとしても、職人に流れる「魂」の部分は簡単に学び取ることはできない。
吉田先生がおっしゃっていたこと。それは



「この職人技は若者を横に座らせ、自分のやりかたを間近で実演し、見せることでしか伝えることができない」



ということである。
これは自分の中にストンと落ちた。
自分がここまで成長できたのはまさにそのおかげだからだ。

前任校で坂内さん(tontanさん)に同じ育て方をしていただいた。
何か問題があると常に自分を横に座らせ、共に話し合いに応じてくれた。
同じ場所で同じものを見て同じ時間を共有し様々なことを学ぶことができた。
その対応を間近で見たことを通じて自分が教師として何を貫き、何を伝え続けていくべきかがきちんと定まったのだと思う。




「きちんと教える」ことも大切であろう。
「教えずに気づかせる」ことも大切であろう。



しかし「背中を見せ続けること」
これはもっと大切なのではないか。
教師自身がいかに信念を貫き、前向きに明るく突き進み続けられるか。
その姿を見せることこそが教育の真髄なのだろう。
その背中から人は何かを学び取り、成長をしていく。



職人としての生き方に強くあこがれる。
目には見えないものを感じ取る力。
感じ取ったことを子どもの成長へとつなげていく力。


子ども達に自身の職人としての魂を刻めたか。
楽しみながら、常に問い続けていきたい。
お話をお聞きしてそんなことを深く感じさせられた。