実は単純なこと

廊下で保護者の方とばったり会った。
立ち話の中でいただいた言葉。



「うちの子勉強がずっと好きじゃなかったんです。でも最近勉強が好きになったって。特に算数が好きなんですって。みんなでワイワイ勉強するのが楽しいみたいです。先生ありがとうございます。」


嬉しさをかみしめながら答えた。
「いえいえ。これは自分の力ではなくて、子ども達の力ですよ。こちらこそ支えていただきありがとうございます。」



「勉強が楽しい」
こう思えることはすべてのスタートラインだと思う。
勉強が楽しいと思えるからこそ、学び続けることができるのだ。
しかし、世の中の大半の子ども達は勉強は苦しく嫌なものだと感じている。
その意識を反転させるためにはどうすればいいのか?



実はそれはとても簡単なことだ。
今まで制限されてきたことを「解放」していけばいい。



先ほどの子が算数を好きになった原因は単純なことだ。
2つのことを解放したことが子ども達の学びの質を上げている。



1つ目は、繋がることの解放。
一人一人切り離されて学んできた授業時間を解放する。
自己の向上のためにいつでも誰とでも繋がれるようにする。
頭ではわかっていても、これにはなかなか踏み切れない。


2つ目は、単元の解放。
どこまで進んでもいい。どこまで突き進むかは自分自身が決めるのだ。
同じ時間に同じ場所を学ぶという価値観からの解放。
目の前の友達が真剣に、かつ楽しそうに突き進んでいる。
その姿が子ども達の心に火をつける。



子ども達を解放することで学びのスピードがあがる。
それによって学び直す時間が生まれるのだ。


数人の子ども達が教科書の上の内容を終えた。
そしてクラスは先週で1学期学ぶべき内容を終えた。
このスピードは子ども達が主体的に学ぶ態度ができているからこそ生み出せる。


来週はいよいよテスト。
2時間時間をかけて5単元分まとめてテストをする予定。
「わかったつもり」を徹底的にあぶりだす時間となる。


きっとテストの結果は惨敗だと思う。
人の脳は忘れるもの。
しかし、それを学ぶことも彼らにとって大切なこと。
テスト内容「を」学ぶのではない。
テスト「で」学ぶ。


できないのが当然。
だからこそやり直す。


子ども達の意識を反転させる。
そのためには原点に立ち戻ればいい。
しかし、すべてを解放すればたちまち学びは崩れ始める。
いかにして解放していくか。
それを我々は共有して磨き続けていかねばならない。