なぜ「学び続ける」なのか

「発達段階に応じた教育を」


こんな言葉をよく聞く。
ところで「発達段階に応じた教育」って何?
一年生はここまで学べる。
二年生はここまで学べる。
そんなものが存在するわけがない。


子ども達の脳の発達が平等であるわけがない。
それぞれの子どもに応じて発達の度合いは違う。
そんなことは当たり前だ。


1年生の時はさっぱりわからなかったことが、3年生になったら簡単にわかるようになった。
こういうことはよくあることだ。
どうしてこんなに簡単なことがわからなかったのだろう?
自分でも不思議に思うことがある。


そう。それが「脳が追いつく」状態なのだ。
人より早く理解できるものもあれば、なかなか理解ができないものもある。
そんなことは人として当たり前のこと。


どんな子どもでも脳の回線が繋がる時がくる。
遅いからといって焦ってはいけない。



学びから逃避する子ども達がたくさん生まれている。
逃避する子どもの共通点。それは
「学ぶことをあきらめている」ということだ。


周りの友達と自分を比べ、劣等感をもってしまったのかもしれない。
誰かにできないことをバカにされたのかもしれない。
理由はいろいろあるだろう。
脳が追いつく前に学ぶことから逃げ出してしまう。
これが問題。



学び続けていれば繋がるものなのに、途中で学びを放棄している。
その中で感じた劣等感は子ども達の身をむしばんでいく。
そして自己肯定感は下がっていく。
そして言う。
「俺なんてだめだ。」
「こんなのどうでもいい。」



我々教師がすべきことは何か?
それは子ども達の脳が追いつくまであきらめることなく学び続けられる場を提供することだろう。



そのためにはすべてを180度変えていかねばならない。
わからない=悪
という構図をたたきつぶさねばならない。


「わからないんだ。でもね。だからがんばるんだ。」


笑いながらそう言える強さがなくてはならない。
あきらめることなく学び続けていく力。
これが子ども達に求められる力だ。


学力を引き上げていくために学び続ける。
己の人間形成に関しても学び続ける。


どんなに拙くてもいい。
この両者がかみあわなければ子ども達は伸びてはいかない。


脳が追いつくその日まであきらめることなく学び続けられるか?
学び続けている限り、子ども達は決して崩れることはない。