自然に組み込まれてしまうもの

「疑問が投げかけられると人は知らず知らずのうちに
 その答えを考えてしまうもの。」



これはファシリテーターの長尾彰さんから教えていただいたこと。
たとえその疑問が自分に投げかけられたものでなくとも、
疑問が耳に入った瞬間、人はその答えを考えてしまうのだそうだ。



ファシリテーターの仕事とは
「相手にきちんと考えさせてあげること」だそうだ。
疑問を投げかけ、相手がじっくりと考える時間を保証してあげること。それが大事。
たとえ相手は沈黙してしまっても、きちんと考えているのであればそれでいいのだ。



そんな話を聞いてから、私は子ども達の前に立っても苦しくならなくなった。
だって、しっかりと話に耳を傾けられる環境さえ整えておけば、
誰に疑問を投げかけても、みな真剣にそれに対する答えを考えてくれている。
そんな感覚を掴むことができたからだ。



疑問を投げかけられたその子が黙ってしまっても別に気にならなくなった。
だってその子は本気で考えているのだから。
そして、沈黙しているその子の周りにも本気で考えている子ども達がいる。
それが肌で感じ取れるようになったからだ。




このような無意識の部分の感触を掴むのはとても大切なことだと思う。
この考え方はいろいろな部分で役立つ。




人は耳に入ったことを自分の脳に自然に組み込んでしまう。
プラスの言葉かけもマイナスの言葉かけも。すべてだ。
…ということはクラス子ども達の前で、ある子をひどい言葉で怒ったら、クラス全員がそれを脳に組み込んでしまうということ。
逆を言えば、誰かをほめ、励まし、勇気づけたなら、それを耳にした子も同じ気持ちになるということ。




クラス全員の気持ちを温める。
実は簡単にできるのかもしれない。
ただいま研究中。