※足りなかったもの

『学び合い』って何?
『学び合い』ってどうやるの?
『学び合い』を成立させるために必要なことは?
昨年度まではそんなことばかり考えていた。


その結果…
子ども達はよく学ぶようになった。
子ども達は自分達で動く意志をもった。
しかし、何かが足りない。
何かが違う。何かが…。
でも…。何が足りないのだろう?


そんなとらえようのない悩みを抱いて過ごしていた日々。
その直後、福島を大震災がおそった。


子ども達はバラバラ。いつ学校が再会するかもわからない。
これからどうなってしまうのだろう…。
そんな中始めた避難所学習プロジェクト。


「みんなが今すべきことは力をつけること。」
「福島だからできない。ではなくて福島だからできるってことを。」


避難所の子ども達に語り続けているうちにわかった。
足りなかった何か。
自分に欠けていたもの。


それは、「子ども達を成長させる決意」


どの子ども達の未来には試練が待ち受けている。
この時代を生き抜いていくのは生易しいことではない。
とくに福島の子ども達は大きな困難が待ち受けているだろう。
そんな中でも涼しい顔をして自分の道を切り拓いていく力をつけてほしい。
いや、つけなければならない。
教師として子ども達に未来を生き抜く武器をもたせなければならない。
そう強く思った。



『学び合い』のやり方って?
『学び合い』を成立させるためにすべきことは?
『学び合い』の…『学び合い』の……



今まで頭を支配していたこれらのことはもうどうでもよくなった。
『学び合い』を成立することが目的なのではない。
子ども達に未来を切り拓く感覚をつかませることが目的なのだ。


この1学期
『学び合い』はこうあるべきなんてことは一切考えなかった。
ただただ考えてきたことは、子ども達が未来を切り拓く力をつけているか?
協同で学ぶスタイルは変わらない。
しかし、子ども達の活動を止めて軌道修正することに迷いはなくなった。


よく言えば優しい。悪く言えばルーズ。
そんな昨年度までの授業はガラッと変わった。


さらに上へ。さらに高く。
多分どこまで子ども達が伸びても終わりはないのだろう。
だから苦しい。苦しいけど、楽しい…のかな?