勝 と 克

私の尊敬するボーイスカウトの隊長にメールをいただいた。
やはり考え方は同じ。以下引用


「勝」と「克」

今の日本の教育に必要なものは「克つ」事を学ばせることだと思います。
「勝」ではなく「克」
つまり相対的な勝負、勝ち負けではなくて
克己、克服の「克」です。この克には反意語がありません。
なぜならこの克つべき相手は自分自身でしかあり得ないからです。


他人との勝負で勝って得られるものは、目に見えます。
三者の評価も得られます。地位や名誉や財産なども
この相対的な「勝ち」によって得ていくものだと思います。
しかし、自分との戦いにおいては自分自身でしか評価ができません。
その戦いに「克つ」事って、人生においては重要な考え方だと思っています。




この間、テレビを見ていたら、ある芸人さんがとても人間業とは思えない芸を
披露しました。会場のお客さんも大絶賛でした。
しかし、パフォーマンスが終わり、司会の方がマイクを向け賛辞をおくると、
にこやかにお話ししていたのですが、段々と表情が曇り、涙を浮かべて
言葉に詰まってしまいました。成功して感激の涙かと思いきや


「失敗した。思った通りにできなかった・・・」


そんな悔し涙だったそうです。
自分自身の目指す芸を、完成品として大勢のお客様にお見せする場で
自身に納得がいかず「また、芸を磨いて出直します・・・」といった彼に
「誇り」を見ました。
突き詰めようとする道があること。すばらしいです。
相対的な勝ち負けは、ただそこに付随するだけのようなものにすら思えます。
誰がなんと言おうと、「オレには進むべき道がここにある!」
何も見返りなんかいらない。ほとんど不可能かとも思える自分への「克ち」に
挑戦している。
幸せだよね。

(引用終わり)



己に克てるか?日々精進。