ホワイトボードの可能性

中学校へ勤めていた時、私が(勝手に)研究を進めていたのは
「一枚ポートフォリオ」という実践。


この実践を国語の授業に取り入れていた人は当時ほとんどいなかった。
(今もいるかはわからないが)
そこで理科や算数での実践を読みあさり、自分なりにアレンジして国語の学習に取り入れていた。


私がなぜ「一枚ポートフォリオ」という実践を取り入れようと思ったのか?
それは、子ども達に「書く」という作業のハードルを下げさせたいと思ったからである。


「一枚ポートフォリオ」私なりの実践はこんな感じだった。


?一斉指導でテンポよく、課題にせまっていく
?みんなに疑問を共有させ今日の課題を書く
?課題に対する自分の考えを個人でノートにまとめる
?個人で書いた内容をグループで練り直す
?グループで出た意見を全体の場で共有する
?今までの出た意見をもとに今日の学びをポートフォリオにまとめる


「書く」ことが嫌いな子のハードルを下げるために様々な工夫をした。
個人からグループ。グループから全体。そして最後に個人に戻すことで多くの考えに触れる機会を設け、そこで出た意見をもとに自分の考えがまとめられる。
一枚の紙にまとめることで、自分の学びの蓄積が可視化され、やる気へとつながる。


一生懸命研究をしたが、結果は「まあまあ」
楽しく書く生徒は増えたが、書くのが苦手な子はだんまり。
グループ学習も盛り上がる班は盛り上がるが
国語が苦手な生徒が集まった班は話し合いというより、にらめっこ。


う〜む。書くことのハードルを下げるって難しい。
つくづくそう感じたものだった。


それ以来、「書くこと」というハードルを下げるためにいろいろ工夫してきたわけだが、
最近私の中でブレイクスルーが起きた。
それは


「ホワイトボードミーティングとの出会い」である。


初め、ホワイトボードの良さなんて全然わからなかった。
ちょんせいこさんの「元気になる会議」を読んで、
ちょっと気になったので半信半疑で始めたみた。
しかし、使ってみると「ホワイトボード」のもつ力に脱帽。


これこそ、「書くこと」のハードルを下げられる最高の道具だと感じた。
ホワイトボードの利点はたくさんある。
「書きやすい」「すべりがよい」「消しやすい」
「書いてみたい!と思える」「失敗を気にしなくてよい」…


一気に書くことへの抵抗感がやわらぐのだ。
わがクラスであまり書くことが得意でない子達ものりのりでホワイトボードに意見をかきなぐっているのだ。


そして、オープンクエスチョン。
によって、書く速度は加速する。
おそろしく『学び合い』と相性が良いのだ。



最近、わがクラスでは新聞記事についての意見文を毎日書くことにしている。


その手順は
?課題の確認(2分)
?グループでのホワイトボードミーティング(10分)
?原稿用紙に意見をまとめる(10分)


ホワイトボードミーティングのおかげでここまでシンプルに!
たった10分の話し合いでも、子ども達はじゃんじゃん書く。


書くことへの抵抗感をやわらげ、かつ時間の短縮にもなる。
昨年まで自分が研究してきたことはなんだったのだろうか…。
嬉しいような悲しいような。


ホワイトボードミーティング、もっともっと磨ける感覚がある。
貪欲に可能性を探っていこう!