耳を鍛える

『学び合い』を始めた当時、tontan先生とよく「声の質」について話をしました。
おしゃべり声は、キンキンと耳障りに響く。
よい学びをしている時の声はしっとりと心地よいものです。


『学び合い』を始めた当時はその違いがよくわかりませんでした。
しかし、最近はわかります。
授業に入って、耳をすませるだけで子ども達がどんな学びをしているかがわかるようになってきました。


そして、驚くことに子ども達もそれを理解し始めている。
図書室から教室に戻った子ども達が
「教室だと勉強しやすいよね。」
「声がキンキンしてて勉強しにくかったね。」
などの会話が聞かれるくらいです。


授業中に耳障りな声(キンキン響く声、バカ笑い、大きな声での説明、大声で誰かを呼ぶ声など)がした時、必ず学びをとめます。


「今みたいな声がした時は、必ず学びが止まっている所があるはずだよ。どう?」
「大きな声で誰かが話をすると、その声に負けないように大きな声を出さなければいけなくなる。そうして教室の声の質はどんどん落ちていく。」
「自分が大声で説明されて、本当にわかりやすいですか?」
「人に迷惑をかけない、というのは人の学びを止めないということと同じ。」
「どんな環境で勉強したいの?この一時間をどんな時間にしたいの?」
「今の教室はゆっくり伸びていける環境かい?」


多くの語りをいれます。
決して怒ったりはしません。
ただただ問いかけ、語ります。
だって、教師の役割は学び合わせることではなく
学びの場を整えることであるからです。


声の質を聞き分ける耳を鍛える。
そうすると多くのことが見えてきます。
私自身、迷います。
これは許せる声質か?止めるべき声質か?

教室で目をつむり、耳を傾ける毎日です。