学ぶ意味
学級通信130号より↓↓
ある日の放課後の会話
Aさん
「先生!係活動でおすすめの本を紹介したいと思っているのですが、何かおすすめありますか?」
わたし
「う〜ん。最近読んでいるこの本なんてどうかな?」
Aさん
「『格差をなくせば子どもの学力は伸びる』あっ?フィンランドのことについて書かれた本ですね?じゃあその本を紹介しま〜す!ちなみにどんな本なんですか?」
わたし
「まあ、学力世界トップクラスのフィンランドってこんな教育をしているよってことが紹介さ れている本だね〜。」
Aさん
「フィンランドと日本の学びってどんな所が違うんですか?」
わたし
「子ども達の学ぶ姿勢が違うよね。フィンランドの人はなんのために学ぶのか?と聞かれたら 『自分のため』って答える。自分の人生は自分のもので、どうすればいいかは自分で考えなければならない。そういう教育が小さい時からだれにでもいきわたっているんだって。」
Aさん
「へえ〜。じゃあ、日本はどうすればフィンランドのような学びができるようになりますか ね?」
わたし
「う〜ん。まずは、日本の人たちが、今の学びじゃまずいってことを意識する必要があるよ ね?あとは、文部科学省とか、日本の教育を決める中心的な人たちもその考えに耳を傾けていかないと。」
Aさん
「なるほど・・・。じゃあ、どうやったら文部科学省の人達は耳を傾けてくれますかね?
それってなかなか難しくないですか?」
わたし
「そうだね〜。日本をフィンランドのような考え方にしていくには正直すごく時間がかかると思うよ。じゃあどうする?簡単だよ。10〜20年後。みんなが大人になって、日本の中心を変えられる職業につけばいい。今の先生にできることはみんなという種をまいていくこと。それしかできない。それが先生の希望であり。教師を続ける意味かな?」
Aさん
「そんな〜。なんかプレッシャーですね。でもわかる気がします。じゃあ今先生と話した内容 を本の紹介に載せますね!ありがとうございました〜。」
では、日本はフィンランドとまったく同じ教育方法をとればうまくいくのでしょうか?
その答えはもちろん「NO!」でしょう。
教育に関してはフィンランドが一番!などと私は考えていません。
だって、日本は日本。歴史も伝統も文化もちがう。
大切なのは「方法」を取り入れることではなく、
「考え方」を取り入れていくことだと思います。
(誤解をさけるため一応・・・。)
それにしても、Aさんは私の考えを引き出すのがうまいこと・・・。
Aさんはファシリテーターの才能があるなぁ。
人に自分の考えを聞いてもらえるってすてきなことですねぇ・・・。
つい熱く教育の未来について語ってしまいました。
小学校5年生と本気で日本の未来について考える。幸せな放課後でした。
すると、先日ある男の子が本をもって私のもとに駆け寄ってきました。
Bくん
「先生〜!池上彰さんの書いたこの本にも、フィンランドのことが書いてありますよ〜!
ほら〜!」
わたし
「ほぉ〜!どれどれ!!」
見せてくれた本は
「知らないと恥をかく世界の大問題」(池上彰著)
いやいや。どんなことも吸収していこうという姿勢。頼もしい!!