評価

まずいことをやってしまった子がいた時。
それは考えさせるチャンス。


なんて思えればいいなぁと思っています。
(実際はなかなかうまくいきませんが…)


「今の自分って胸をはれる自分?」
「今の自分って100点中何点ぐらい?」
「どんな自分になりたいの?」
「今のままでいいの?」
「ゆっくり伸びてる?それとも止まっている?」


ひたすら問いかけます。
そして、考えさせます。そして、私も共に考えます。




「評価」という言葉がネット上を飛び交っています。
私は、基本的に完璧な評価を他人がつけることは不可能だと思っています。
なぜならば、その人の内面を他人がすべて把握することはできないからです。


すごくはかどっているように見えた子どもが
「はぁ…。今日はなんか気分が乗らなかったかったなぁ…。今日の自分60点。」
なんて自分を振り返る時もあるし、


逆に、学びが止まっているように見えた子どもが
「今日はすごく考えた。そして楽しかった。次はもっと伸びられそう!」
なんて言うこともある。
そのたびに「う〜む…」と考えさせられます。


完璧だから「評価」なんてどうでもいい。
そう思っているわけではありません。
完璧でなくても、我々にとって「評価」は大切な仕事。
それは肝に銘じております。


大切なのは「教師がいかにうまく評価するか」ではなく


「他人につけられた評価ばかりにとらわれない人」を育てたいということです。


「他人につけられた評価」「自己評価」それらをすべてひっくるめて、
「俺ってさぁ〜」と語れる人間を育てたい。
そう考えているのです。
だから語ります。


「大事なのは点数だけじゃない。だれかにつけられたABCだけじゃない。
 自分が伸びようとしているかだ!」



先日、私が尊敬するボーイスカウトの隊長からメールをいただきました。
その内容はストレート。
私が言いたいこと、ずばりそのものでした。


●隊長からいただいたメール●↓↓


ブログ、楽しく拝見させてもらってます。
山登りの話が出てたんで、オレなりの所感です。


山登りで大事なこと。


ルート選び、自分の体力、装備、目的意識
経験、知識、支援者、状況を読む力・・・・


等々たくさんありますが、これらは全部、事前準備です。
登り始めているものに大事なものは目線です。


歩き始めに頂上は見えません。
あそこまで、あそこまで・・・と道標を追っていく中で
頂上が見えてきます。


でも本当に見据えるべきは、自分の足元です。
つまり、今の自分の力を理解しているか、どうかです。
今、どこにいるのか、どんな状態なのかを知ることです。


言いたいことは、自分の評価を誰がしているのかと言うことです。
最も大事な評価は、自己評価であると思います。
評価とは認めること。他人の評価は自分をよく知る人でも
正しいとは言い切れません。なぜならその人の主観があるから。


自己評価とは自分への問いかけであり、
自問自答でも、誰かに問いかけられても構いませんが、
返す言葉や態度や表情はどうであれ
心の中では、素直に自分の力を認めています。判っています。
これが自己発見のポイントです。


他人の評価はただのバロメーターです。
その評価を鵜呑みにすると、勘違いをしてしまいます。
必要以上に思い上がったり、自分を卑下したり・・・
人の立ち位置は”前向きな自然体”が一番良いんじゃないかと
感じています。


前向きに、どこへ向かうのか?そのために
”そなえよつねに”
誰かのお役に立つことが幸福な人生の道。誰かのお役に立つために
”そなえよつねに”です。
勉強ってのは役立つためにしていること。
知識の詰め込み競争じゃありません。
学んだことは使うためにあるんです。


「学び合い」で学ぶ子ども達は知識を何かに”使ってること”が
楽しいんじゃないかと思うよ。立派です。

●引用おわり●


隊長は、教員という仕事についているわけではありません。
でも、「ボーイスカウト」という活動を通して何十年も子ども達と真摯に向かい合い、考え抜いてこられた方です。
こういう方が身近にいることに感謝です。


「前向きな自然体」
子どもに語りたい言葉です。